天皇陛下の生前退位のご意向により、2019年5月1日、新天皇が誕生し、新しい元号が始まります。
明治、大正、昭和、平成・・・。
約30年続いた平成が終わり、次はどのような元号になるのでしょうか?本稿を執筆しているのは2019年3月18日、新元号の発表日は2019年4月1日。財務ネットが皆様のお手元に届くのは4月に入ってからですから、本紙をご覧いただく頃にはもう新元号が公になっていることでしょう。
ここで素朴な疑問が一つ。そもそも元号はなぜ誕生したのでしょうか?この疑問についてインターネットで調査した結果、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」や「ニコニコ大百科」そして「NAVER」に詳しい説明が載っていましたので、一部を抜粋してご紹介します。
まず、元号とは、日本を含むアジア東部における紀年法(年を数えたり記録する方法)の一種です。そして、紀年法のうち、西暦やイスラム紀元などが無限のシステムであるのに対し、元号は有限のシステムであるというのです。なぜ有限なのでしょう?その理由は、元号は君主の即位等により名称が改められ、元年(1年目)から再度数え直されるからです。つまり、リセットされるから有限なのです。因みに、西暦やイスラム紀元などはリセットされることがないので無限のシステムとなります。
そして、ここからが「元号はなぜ誕生したか?」という話に繋がりますが、元号とはそもそも、「君主が特定の時代に名前をつける行為は、君主が空間だけでなく時間までをも支配する」という思想のもとに生み出された紀年法であるというのです。
世界最初の元号は、紀元前に存在した中国の王朝「前漢」の武帝が定めた“建元”、そして、日本最初の元号は飛鳥時代の大化の改新の際に定められた“大化”です。因みに、日本において一番長かった元号は“昭和”であり、その期間は62年と14日間です。一方、日本において一番短かった元号は鎌倉時代の“暦仁”で、その期間は74日間とのことです。
近年、日本では、1979年に制定された元号法に基づき、元号が決定されるとのことで、その元号法なるものは次のたった2項から成り立っているそうです。
第1項: 元号は、政令で定める。
第2項: 元号は、皇位の継承があった場合に限り改める(一世一元の制)
何ともシンプルな法律です。また、「年号の歴史(1996年/雄山館発行)」という書物によれば、元号の選定条件は、次の通りであるとも記されています。
- 国民の思想としてふさわしいような、よい意味を持つものであること。
- 漢字2文字であること。
- 書きやすいこと。
- 読みやすいこと。
- これまでに元号または送り仮名として用いられたものでないこと。
- 俗用されているものでないこと。
上記(1)に関連する話として、例えば昭和の場合には「書経」という中国の歴史書に「百姓昭明、協和万邦」という記載があり、そこから二文字を抽出して「昭和」としたそうです。その意味は、「国民の平和と世界の共存繁栄を願う」ということです。平成の場合は出典が二つあり、まず同じ「書経」の「地平天成」、さらに「史記」の「内平外成」から引用されたと言われているようです。意味は、「天地、内外ともに平和が達成される」とのことです。
私自身は、物心ついてから元号が変わるということは初めての経験となります。今回はどのような思いが込められ、どのような元号になるのでしょうか?
そして個人的な話となってしまいますが、新しい元号を個人としてどう生きるか?元号の変更という節目のタイミングで、今後の人生を思う今日この頃です。