顧客満足度・従業員満足度
会社を経営していくなかでCSが重要だという話は、よく耳にすると思います。このCSというのは、Customer Satisfaction=顧客満足度のことです。事業を継続していくなかでは、顧客にどのようにして満足してもらうかによって今後の取引に直接影響することになりますので、とても重要なものです。
ですが私は、このCSと同じように重要視しなくてはいけないこととしてES(Employee Satisfaction=従業員満足度)も念頭に置いておかなければならないと思っています。
社長一人で事業を行っている場合はちょっと考え方が違いますが、(社長一人の場合は、自己満足度・モチベーションの維持という形で考えると良いと思います)社員一人一人の仕事への取り組み方が、その会社の業績に大きく影響を与えているのは、皆さん感じているところでしょう。
仕事に対して前向きに取り組んでいる、とてもやる気のある社員がいる会社であれば、是非取引をしたいと思われるでしょう。逆に、会社に対して不平不満がありいやいや仕事をしていたり、残業だらけで疲弊している状態だったりする社員が多いと他の社員にとっても悪影響ですし、回りまわって取引先に対しても悪印象を与えてしまい、今後の取引にも影響を及ぼしかねません。
また、最終的にその社員は離職してしまうということも十分考えられます。
従業員満足度を上げるために
このご時世、人を採用するのはとても難しくなっています。有効求人倍率はバブル時代並みに高くなっており、超売り手市場です。どこのお客様にお伺いしても、「人の採用が上手くいかない」「求人広告を出しても問い合わせがない」というお話をよく聞きます。それ程、採用が難しい状況の中で、せっかく育った社員が辞めてしまうというのはとても勿体ないものですし、社員の離職による機会損失を考えると会社にとっての影響はとても大きいのです。ある調査では、正社員1名が離職することによってその後3年間で1000万の影響があるという結果も出ている程です。
そこでES(従業員満足度)をあげることが必要になってくるのです。なにも従業員に媚びることを勧めているわけではありません。
ESを上げるためには、次の4つの観点で考えてみてはいかがでしょうか?
企業文化・ビジョン
人間関係(上司・仲間との関係)
仕事の内容
報酬・待遇(給与・休日・福利厚生)
まず、従業員が何に満足するかを知ることが重要です。従業員満足度を上げましょうと言ってもそのやり方は、会社や仕事の内容によっても違いますし、分かりやすい金銭的な報酬も、上げられる額には限度があります。なので、それぞれの観点に対して、どの程度の関心(不満)があるのかを社内で調査するということが必要になります。
方法としては、社員に対してのアンケート形式で行うのが良いと思います。そのアンケート結果をしっかり分析したうえで、上記の4つの観点でそれぞれに対しての対策を講じていくのです。
企業文化やビジョンを重視している人に対しては、仕事を通してのありたい姿や将来像を明確にすることが有効でしょう。
人間関係を重視している人に対しては、仕事中のチーム編成に気を配ったり、社内でのコミュニケーションに配慮することが重要になってきます。
仕事内容を重視している人に対しては、どのような仕事にやりがいを感じているのかをリサーチすることが必要です。そして、その人がやりたいと思っている仕事を積極的にまかせてみるということが良い方向に向かうことでしょう。
報酬・待遇を重視している人に対しては、どんどん報酬をあげれば・・・というわけにもいきませんが、その人が働きやすい環境を整えるということも待遇面での改善になると思います。勤務時間の融通が利くように社内規定を変えて、休日や休憩時間を取りやすくし、ちょっとした用事や子供の行事に参加でるよう配慮することで、働きやすい環境をメリットと捉えて、より一層仕事に対して真剣に取り組むようになると思います。
仕事をする上でどのようなことにモチベーションを持つかは人それぞれです。より良い事業継続・会社経営を行っていけるよう、ES=従業員満足度を意識してみましょう。