まず初めに、唐突ですが質問をさせていただきます。
「あなたは今の仕事をしていて幸せですか?」
これはある書籍を読んでいた時に気になった質問です。私は最近この質問をお客様や友人に対して投げかけ、皆様の感想を聞いております。この質問は、自分が頑張っている仕事や目標がその人にとってただ与えられたモノなのか、自ら進んで達成したいモノなのかを判断するには最適な質問と思い、使用することが多くなっています。
さて、今回の財務ネットのテーマは『ダイバーシティ』です。この言葉の意味は「多様性、性別や国籍や年齢に問わられず多様な人材を活用することで生産性を上げ、企業の成長と個人の幸せを同時に目指す概念」とされています。今回はこの言葉とこれからの日本について併せて書きたいと思います。
皆様は日本の未来の年表などが書かれた書籍を読まれたことはありますか?私は最近ある書籍を手に取り読みました。最初はちょっとした好奇心から読み始めたのですが、その中でも気になったことを何個か列挙させていただきます。
日本の未来の年表より気になった事項(自分なりの抜粋)
2018年 国立大学の経営危機
2021年 介護離職の大量発生
2042年 高齢者人口が約4,000万人と過去最高のピークを迎える など
これらの問題の大きな原因の一つとしては少子高齢化が挙げられます。この状況は現在も進行中であり、数十年後にはこうなるだろうと予測をした書籍が多く出ているほど、大きな関心を集める問題になっています。ではこの問題が進んでいった場合に、どのような弊害が私たちの生活に影響を及ぼすでしょうか?それについては次の点が挙げられています。
少子高齢化がもたらす私たちの生活への影響
・トラックドライバー不足により自動販売機の売り切れが蔓延する
・農業の後継者不足によりスーパーマーケットから野菜が消える など
少し大げさかもしれませんが、このような問題が危惧されています。仮にこの時代が来てしまった時に、私たちはどのように考えなければいけないのでしょうか?それとも今からこのような時代が来ることを考えながら対策を考えるべきなのでしょうか?これについて私は、次のように考えています。
例えば、ネットショッピングを例に挙げたいと思います。約20年前の日本経済のバブル成長期にはこのようなサービスは無かったと思います。それが時代の変化とともに、人それぞれのニーズが多様化することでサービスの提供もそれと同時に多様化して生まれたからだと考えています。しかし、ネットショッピングも顧客のニーズの多様化が進むにつれて、大きな問題も浮き彫りになっています。それは不在時の再配達制度です。現在配達には時間指定という便利なサービスがあります。しかし、受取人の何かしらの事情により再配達を依頼することもあります。このサービスを受けることにより受取人は商品を受け取るサービスの提供を受け、配達する側は商品を配送したというサービスの提供の完了が成り立ちます。しかし、再配達に係る人件費とドライバーを拘束する時間などは考えられていません。
受取人はサービスの提供を受ければ終わりになりますが、その受取人ひとりひとりに対応するためにドライバーは残業を強いられます。しかし、理不尽にも企業側は効率化を求めます。この結果、ドライバーは企業側と顧客側の板挟みにあい、劣悪な環境が生まれます。この状況が続くことによりサービスの質の低下、人材不足問題が浮き彫りになり、顧客のニーズを満たすことが出来なくなります。
これらの問題を解決するためにはどのような行動が顧客側には必要なのでしょうか?それは配達する側のドライバーへの配慮などが必要なのかと思います。急いで必要なモノでなければ、明日以降にしてもらう、どうしてもすぐに必要なモノであれば自ら取りに行くなど、時間を守れなかったことに対する顧客側の問題を認識し、顧客自身が行動することだと思います。
人それぞれのニーズは様々な変化をし、多様性が満ち溢れていく中、ニーズに対応しきれない部分も出てきているのが現状かと思います。果たして、このままでいいのでしょうか?もう一度サービスの提供を受ける側もサービスの提供をする側の気持ちに寄り添い考えるべきなのかもしれません。時代はこれからも変化していきます。本当の意味でのダイバーシティの実現は、企業、従業員、顧客の全てが幸せであることの実現できる社会の構築です。そしてもう一度冒頭の質問を考えてみてください。
「あなたは今の仕事をしていて幸せですか?」
もう一度自分を見つめ直してみてはいかがでしょうか?