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《コラム》2019年4月からの勤務間インターバル制度
◆いよいよ働き方改革法が施行されます
平成も最後の年ですが4月より働き方改革法が順次スタートします。今回は改革法で努力義務化される「勤務間インターバル制度」を見ていきます。
◆勤務間インターバルとは
Aさんが残業をして23時まで働いたとします。11時間の勤務間インターバル制度を導入するとAさんの翌日の始業時間は午前10時になります。会社の就業時間が午前9時から午後5時だとしても、就業規則にインターバル制度の運用が規定されていればAさんが10時に出社することは遅刻にならず、通常通り午後5時に退社しても1日勤務の扱いになり賃金面で不利益は受けません。
法律ではインターバルの時間を何時間にすべきか明記していません。4月から改めてスタートする「時間外労働等改善助成金」では9~11時間以上のインターバルを設けるように設定されていることが目安になるでしょう。ヨーロッパではすでに導入され11~12時間の設定がされています。
◆勤務間インターバル導入のメリット
厚労省の有識者検討会報告書によると、
<導入のメリット>
①健康維持に向けた睡眠時間の確保につながる。
②生活時間の確保によりワークライフバランスの実現に資する。
③魅力ある職場づくりにより人材確保・定着につながる。
④企業の利益率や生産性を高める可能性が考えられる。
とされています。
政府は2018年1月現在で1.8%にとどまっている導入企業の割合を、2020年までに10%以上とする目標を掲げています。4月からは勤務間インターバルにかかわる「時間外労働等改善助成金 勤務間インターバルコース」の助成金額が倍の最大100万円まで増額されます。労働能率を改善する物品やソフトの購入、入れ替えも対象になるのでこれを機会に労務環境に手を入れるのが賢いでしょう。
《コラム》人手不足時代の採用のポイント
◆人手不足時代を乗り切るには
人手不足が続いています。総務省が11月30日に発表した10月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は2.4%と前月比0.1ポイント上昇しましたが、25年ぶりの低水準で推移しており求職者有利な状況が続いていることがうかがえます。この売り手市場を乗り切るにはどうしたらよいでしょう。
◆離職理由は何か
内閣府が行った若者の離職理由調査では
①仕事が自分に合わなかった
②人間関係がよくなかった
③労働時間、休日、休暇の条件が良くなかった
④賃金がよくなかった
が上から順に並んでいます。意外にも労働条件はトップではありません。労働条件面以外で改善できる余地があることがうかがえます。
◆労働条件面以外での対策は
①の仕事が自分に合わなかった、では
・必要能力水準を満たしていなかった
・イメージしていた職務内容と違う
・従事した職務が募集内容と違った
などが離職理由としてあげられています。
採用する側の心構えとしては面接時点で従事する業種、職種に対する理解を深めてもらう。面接で応募者の人柄やキャリアプランを聞く。面接以外に適性検査、能力検査を導入する。経験者にこだわらず、未経験者でも志望動機や強みを考慮してみるとよいでしょう。
②の人間関係がよくなかった、では
・職場で話しかけづらい
・上司と話をする機会がない
・上司の指示がうまく伝わってこない
などがあがっています。
職場内の普段からコミュニケーションを良好に保ち風通しの良い環境を作る。社内のコミュニケーションがとりやすい機会を提供し、コミュニケーションの量が増えるよう仕組むことなどが必要でしょう。
◆世代ごとの違いを理解することが大事
世代間の違いということも考慮が必要です。コミュニケーションをとりたいと思ったときも自分世代の常識だけではなく、話す相手の背景に興味を持って交流することが、社内調和につながるでしょう。
記事提供者:ゆりかご俱楽部